鳩対策のサービスが生まれるまでは失敗と試行錯誤の連続でした。鳩対策という仕事との出会いからノウハウができるまでを簡単にご紹介させていただきます。
きっかけはお客さまからのご相談
1996年、普段から害虫駆除を頼まれていた工務店さんから鳩の糞害で悩んでいるマンションがあるとの相談を受けました。鳩対策をやったことがなかった弊社にご相談いただいた理由は、頼めばやってくれるんじゃないかと思ったそうです。不安はありましたがお役に立ちたいなぁとの思いで私は引き受けることにしました。
「佐藤さんにお願いするよ」この言葉は非常にうれしいです。
会社としてではなく、人間どおしのお付き合いができる関係を目指しているからです。
鳩との戦い・失敗と試行錯誤の連続の日々が始まった
鳩対策をしたこともなかった私は思いつくままに、まず農協さんへ行って畑・田んぼの鳥被害を食い止める目玉マークを買って設置してみました。しかし結果はまったく効果がありませんでした。そして次にホームセンターに行きマグネット、におい成分、光発光を買って設置してみました。これも効果がありませんでした。うーん、なかなか手強いなぁ…。
こうなったらネットを張るしかない
早い段階からネットを使えば解決できるだろうとは実は思っていました。しかし当時は今のように専用のネットもなく、見た目が悪くなるネットしかありません。そのためできるなら取り付けたくなかったんです。でもこうなったらネットを張るしかない。鳩の糞まみれよりはマシだ。
防除には成功したけど、やっぱり美観・圧迫感が気になる
再度、農協さんに相談にいき「かすみ網」という網を購入。早速、工事をしたのですがネットの網目(=目合)の大きさが5㎝四方だったため、網目に鳩が頭や足を引っ掛けてぶらさがってしまいました。そこで慌てて目合が細かい3㎝のものに変更。とりあえず鳩をやってこなくすることには成功しました。
でも、マンションの外観が「いかにもネットを貼りましたよ」という感じなので外から部屋を見たときの見た目の悪さと、自分が鳥小屋の中にいるような圧迫感でなんとも言えないモヤモヤとした嫌な気持ちが残りました。色も市販の緑とオレンジで試してみましたが、どちらも自分が描いている完成形とは違いました。
目立たないネットをつくろう
何か良いネットがないものかと、模索する日々が続きました。そんな時、私の故郷、港町で有名な宮城県気仙沼市の親戚に聞いた話で「かすみ網」よりも丈夫で、長持ちで、そして目立たない「魚網」があることを知りました。紹介してもらい石川県にある魚網の業者に連絡をとり、鳩対策用に加工をしてもらいました。
ネットの色は白色です。白色や透明ならきっと目立たないはずだと思っていましたが、実際にはギラギラと陽の光を反射して余計に目だってしまって全然ダメなんです。そこでいろいろな色を試してみて、目立たない色を研究した結果、グレーや茶色や黒色にネットを染めてもらうことでずいぶん目立たなくなることがわかりました。
見えにくいですがネットを持っています。
美観を損ねない・圧迫感の少ないネットの完成
早速できあがったネットを設置してみると見た目もそんなに悪くならずに、お客さまにも大変喜んでいただけました。実際に工事してみるとネットの素材がテトロンというやわらかいもののため、デコボコ部分やコーナーなど現場での加工が簡単で工事もしやすくなる利点もありました。
この時からずっと私たちの鳩対策は日々、試行錯誤でノウハウを積み上げています。そして現在、使用しているネットは極細、超軽量、黒色のポリプロピレンネットです。弊社から波及したこのネットは現在日本で一番多く使用されているネットになりました。
ピーシープロテック代表取締役